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【前文】乳房温存療法ガイドラインの解釈
(日本乳癌学会・学術委員会・「乳房温存療法のガイドライン作成」小委員会)により作成された「乳房温存療法のガイドライン」とは日本に於ける標準的な本療法とはなにかを検討し、その正しい普及を目指したガイドラインである。そして本ガイドラインはウェブ上に公開されている。そのページリンクはこの色
http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.html しかし一般的に解釈しにくい部分もあると思われ、なるべく平易な言い回しで注釈を付け加えた。吉利の注釈の色はこの淡い文字である。
原文はこの色

原文【はじめに】
現在乳房温存療法はわが国においてもずいぶん普及してきており、欧米の報告を頼りに本法が行われ始めた1980年代後半とは大いに様変わりしてきている(1)(2)(3)。すなわち当初は本法の適応、至適な局所切除法、照射の要否、照射する場合の方法と線量、切除標本の検索法等、多くの問題を有しながらの開始であった。しかし、この開始にあっては欧米の長い乳癌に関する研究(4)(5)(6)を基礎とした腫瘍進展型の考え方の変化や治療概念の変遷、乳癌は腺癌であるけれども放射線感受性は高いという歴史的事実等を背景としたことはまちがいない。

その後、日本人乳癌の最適な乳房温存療法の確立に向けての日本人の学者による計画的な研究が進み、現在に至っている。この間1991年には日本乳癌研究会を基盤として日本乳癌学会が設立された。 本ガイドラインは日本乳癌学会・学術研究班(班長大川智彦)の「乳房温存療法における手術術式に対応した乳房照射法ガイドライン」の報告(7)(1998年5月)を受けて、学術委員会(委員長小山博記)が乳房温存療法について日本の現時点における指針を策定し、わが国の乳癌診療における標準化を計ることを理事会に提案し、承認(1998年8月)されたことによる。

すなわち、学術委員会は「乳房温存療法のガイドライン作成」小委員会(委員長大川智彦・副委員長児玉宏)を設置し、作業要綱を示した。本ガイドラインはこの作業要綱をもとに、現在(1999年6月)求められるわが国の標準的な本療法とはなにかを検討し、その正しい普及を目指したものである。しかしこの分野の学問の進歩はめざましく、さらによりよいものに近い将来改訂されることを望むものである。
http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.htmlより2000-10/31抜粋引用
キーワード 注釈【乳房温存療法の歴史・日本乳癌研究会の歴史】全文jbcs.より
      上記(1)〜(7)は参照jbcs.サイトの項目(文献)のナンバーです。

原文【1.乳房温存療法とは】
ここでいう乳房温存療法とは乳房温存手術と腋窩郭清の後に残存乳房に対し乳房照射を加えるものをいう。
すなわち手術と放射線の両者の特長を生かし、相補的に用いた療法である。
したがって乳房照射を加えない乳房温存手術単独のものと区別する。
乳房温存療法および乳房温存手術単独の両者を含んで呼称するときは、乳房温存治療とする。
キーワード 注釈【乳房温存療法の定義】
手術と郭清(外科的処置)後に残存乳房に対して、放射線照射治療を加えるのが乳房温存療法です
外科的処置単独によるものは本療法とは呼ばず、【乳房を温存して治療した】という範疇に含める
治療の☆療法と※治療の言葉に注意 -- 言葉のあやではないが、紛らわしいので注意しておきましょう

原文【2.インフオームド・コンセント】http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.htmlをご参照ください。
抜粋し要約します。 吉利の要約を読んだ後、上記リンクを辿り必ず本文をご参照ください。
重要な記載を抜粋します。

欧米の成果を受け日本にも乳房温存療法【以下=本療法】
が開始され、確立されてきた

本療法を施行するにあたり、必要かつ充分な説明を行って
同意を得た後に施行されなければならない。

手術を受けるかたの自己決定権を尊重し、正確な情報提供から
治療法決定までの過程を通じて医師・患者間の相互理解に基づいた
信頼関係を築くことが最も大切である

医師は本療法の正しい知識をもって診療にあたらなければならない。

A.実施に当たっての留意事項

インフォームド・コンセントにおける説明義務:
対象はあくまでも患者本人である。そして配偶者や家族
に対しては可能な限り同意を得ておくことが望ましい。

インフォームド・コンセントの進め方にあたっては医師の個人的な
考えを強要することなく公正かつ客観的でなければならないし、
わかりやすい平易な言葉での説明が求められる。

B.必要な事項

(1)乳癌の告知

(2)乳癌進行度とその基本的な治療方針について

(3)乳房温存療法の概要

a)本療法は局所療法の一つ。
b)乳癌に対する温存手術の後に放射線治療を相補的に行う。
c)乳房温存療法においては温存乳房の乳房内再発のリスクがある。
d)温存手術後の病理検索により、切除断端陽性の場合には
   再手術も有り得る(患者の同意が必要)
e)乳房温存手術に追加される放射線治療は遺残する
   可能性のある癌病巣に施行。

(4)乳房温存手術とその予測される有害事象
     手術には病巣を中心とした乳房の部分切除と腋窩リンパ節郭清
   (伴う合併症の種類と頻度の説明)本術式の長所や短所などの説明

(5)放射線治療(乳房照射)とその予測される有害事象
     急性反応について晩期反応(合併症)について

(6)術後補助療法の意義について

(7)局所再発のリスクと予後について

(8)その他
患者がセカンド・オピニオンを求めることは自由であり、時に推奨されなければならない。
キーワード 注釈【知る権利・ セカンド・オピニオン】 http://www.jbcs.gr.jpへ行って原文を読んできてください。

原文【3.乳房温存療法】http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.htmlをご参照ください。
抜粋し要約します。 吉利の要約を読んだ後、上記リンクを辿り本文をご参照ください。

A.適応-2000-10/に確認した記載
(1)腫瘤の大きさが3.0cm以下
(2)各種の画像診断で広範な乳管内進展を示す所見がない
(3)多発病巣がない
(4)放射線照射が可能なもの(原則除外症例の定義あり)
(5)患者が乳房温存療法を希望する

B.外科手術(乳房温存手術)
術式は乳癌取扱い規約(第13版)に準ずる。
美容的に優れている乳房円状部分切除術が用いられる傾向にある。
術式・方法 省略 ご興味あれば、jbcsの本文をお読みください。
皮膚の縫合:美容的要素が重要であり、皮膚の縫合には吸収糸を用いたり、
      埋没縫合などで創が目立たないような工夫を行う。

C.放射線治療
(1)手術後放射線治療待機期間
    手術後なるべく早期に放射線治療を開始する。   しかし放射線は
    創傷治癒を遅延するおそれがあり、  手術創が完全に治癒してから
    放射線治療を開始するのが望ましい。6週以上の待機は好ましくない
(2)〜(6)記載省略
(7)照射中の補助療法
    放射線治療期間中の強度な化学療法は放射線皮膚炎及ぴ
    放射線肺炎を増強させるおそれがあるので好ましくない。
http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.htmlへ行って原文を読んできてください。

【4.病理】
切除材料の取扱い・固走・標本作製・病理診断に関して、以下の項目を満足させることが望ましい。

キーワード 注釈【病理はすべて省略しました。】

原文【5.経過観察】 http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.htmlより2000-10/31抜粋引用
A.経過観察
乳房温存療法では切除断端が陽性であるか、陰性であるかが局所再発にもっとも関連している。
断端陽性となる主たる原因は乳管内進展巣の拡がりであり、十分な放射線照射を行っても断端陽性例は陰性例に比し、有意に局所再発率は高い。局所再発例は救済手術(salvageoperadon)がなされている例も多いが5年生存率は無再発に比べ低下する。
とくに浸潤癌として再発したもの、再発巣の腫瘍径2.0cm以上のもの、初回治療から短い期間に再発したものは予後が不良といわれている。
したがって、乳房温存療法では局所再発に対する早期発見が大切となる。

B.局所再発
(1)局所再発の危険因子
局所再発率は放射線治療の精度によってその率は異なるが、再発の危険因子に言及した報告ではほぼ同じ結果である。つまり、断端陽性例、若年者あるいは閉経前すなわち比較的若い年齢層で再発が多いということである。したがってこれら危険因子をもった例には慎重な観察が望まれる。
(2)観察期間
局所再発は初回治療後10年間はほぼ一定の頻度でみられることから、10年以後も経過観察が必要である。
(3)観察時期
 再発を早期に発見すること、とくに初回治療後早期の局所再発は予後に影響を及ぼすことから、治療後早い時期は少なくとも6ケ月間隔で画像診断を行ったほうが良い。一方、初回治療から比較的長期になってみられる再発は生物学的に緩徐な性格であるものが多いことが予想され、10年以後は一年に1回でよいのではないかと考えられる。
(4)観察方法
一般に局所再発の発見には、触診、マンモグラフィー、超音波検査、穿刺細胞診、CT、MRI等を行う。
キーワード 注釈【上記全文jbcs.より引用転載しました。】 つまりここが
治療を受けた方と治療を行った医師(医療機関)との上手なつき合い方法のマニュアルだと思います。
意味は  初回治療後早期の局所再発は予後に影響を及ぼす=再発を早期に発見する事
故に担当医師は再発の早期発見に努力する=定期的な検査=コスト(3割負担でもかなりの金額)となる。

【6.評価】
A.再発
初回治療後に癌が臨床的に全く消失したのちに、患者または医師が
初めて再発症候に気付いた時点を再発年月日とする。ただし、多発癌は除く。
(1)局所(温存乳房内)再発
 照射野内局所再発
 照射野外局所再発
(2)局所リンパ節再発
 照射野内、照射野外に分けて評価を行う。
(3)遠隔(リンパ節を含む)再発


B.生存率
 原則として日本乳癌学会「乳癌取扱い規約」に準じて評価する。
    生存率の計算方法  生存率の差の統計学的有意差の検定
    その他の生存率   時間的事項とその定義

C.QOL評価
26項目から成るQOL調査票を作成した。
http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.htmlの(資料I)をご参照ください。

D.美容的評価
乳房温存療法においては、治療後に長期間にわたっての
良好な胸部・乳房の外見を保持することは非常に重要な
エンドポイントである。        美容的評価法

原文【おわりに】 http://www.jbcs.gr.jp/onzon/onzon_s.htmlより2000-10/31抜粋引用
わが国において現時点で標準と考えられる乳房温存療法のガイドラインを示した。
乳房温存療法を行うに当たっては、乳房温存術式を充分理解し、術後の評価を病理組織学的検討を
ふまえて充分行ったうえで、照射計画を立案し、乳房照射を行うことが大切である。
今後の課題としては、本法の適応が拡大した場含の検討、組織学的悪性度・分子生物学的悪性度等の研究、
さらにはこれらとの関連における照射適応の検討、内分泌・化学療法を含めた乳房温存治療全体の
システム確立のための研究、美容的評価の検討等がある。
したがってこれらの研究の成果から、近い将来本ガイドラインの見直しがなされることが望まれる。

【7.文献】 省略しました。 この色の注釈 吉利 そして本文のこの色はガイドラインより2000-10/31から11/6掲載の文を引用しました。



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